賃上げ。要するに賃上げすれば日本が復活するとかいう幻想。今までが安すぎたのであり、安い国ニッポンから脱却することこそが脱マイナス成長だ、と。
しかしそれを可能にする国力も産業力もそもそも今のこの国には、ない。
賃上げならぬ賃下げをして皆等しく貧乏になる人生プランは用意されていても、賃上げで皆が幸せになる道など最初から存在しない。そもそもその状態をバブル景気という。
経済成長しているどころかマイナス成長し続けているこの国が、いったいどうして賃上げすることでみんなが幸せになる未来を描けると思えてしまうのか。
それはもう、現実逃避に過ぎない。
安さには理由がある。
日本社会は、大多数の人間にメシを食わせる社会だ。日本が安い国なのは、大多数の人間にメシを食わせる必要があるからだ。なんだかんだいって、これが日本社会の本質だ。それを人口でカバーしてきた。人が多ければ多いほど、よりよいものをより安く提供できる。そういうやり方でやってきた。ところが、その人そのものがいなくなってきた。だから賃上げをやるという。
なにが起きるか。
スラム街の大量発生!
これはかねがね予見されている出来事だ。
そうならない理由が何一つとして存在しない。賃上げに失敗して賃上げどころか賃下げになる未来が日本の未来だ!